参加呼びかけ文

『Let’sDANCE法律家の会』への参加を呼びかけます!

Let’sDANCE法律家の会設立準備会一同

 2012年5月29日、全国においてダンス規制法(風営法)改正のための署名運動~Let’s DANCE署名運動が、10万筆を目標に開始され、10月23日現在8万筆(自筆)を超えています。この署名運動は、音楽家の坂本龍一氏をはじめ、各界の著名人が呼びかけ人・賛同人に名を連ね、その数はさらに増えていく予定です。また、新聞、テレビ、雑誌など、マスコミでもたびたび取り上げられており、ご存知の方も多いことと思います。
本拙稿は、このダンス規制法改正運動をサポートする法律家の会=「Let’sDANCE法律家の会」にご参加いただくことを呼びかけるものです。

1 法改正運動の発端

DJがセレクトする素晴らしい音楽とともに、ダンスやお酒を楽しむ場としてのクラブ。クラブは音楽のみならず、映像、ファッション、IT等様々な分野で優れた文化を生み出し、新たな才能を世に送り出してきた文化の発信地というべき場ですが、風営法による摘発が相次いでいます。

このようなクラブに対する摘発は、2年ほど前から関西を中心に始まり、福岡、名古屋、東京など全国に広がり、また摘発の対象もクラブの他、ライブハウス、サルサクラブなどに拡大しています。摘発は徹底したもので、ここ2年で摘発されたクラブは20店舗以上、逮捕者は60名以上に及び、閉店に追いやられ、営業形態の変更を余議なくされる店舗も多く出ています。

クラブ摘発の理由は風営法の無許可営業です。
風営法は「ダンス」をさせる営業を「風俗営業」としており、客にダンスをさせ飲食させるクラブ営業も風俗営業とされています。そのため、クラブ営業のためには公安委員会の許可を取得しなければならず、また許可を取得したとしても営業に対する厳しい規制が課されます。

規制内容はあまりに厳しく、現在のクラブ営業の実体に合致しているものとは到底いえません。
例えば、風営法による許可を取得するためには、店舗面積が66㎡以上なければならず、クラブの多くを占める小箱と称されるクラブはそもそも許可を取得することができません。
また、許可を取得したとしてもクラブの営業時間は午後12時(地域によっては午前1時)に制限されます。ライフスタイルが多様化し、深夜まで飲食店やカラオケ店等が営業している現代社会においてこの営業時間規制に合理性は全くなく、そもそもそこのような限られた営業時間で店舗経営を維持することは極めて困難で、クラブ営業に不可能を強いるものといえます。
そういった状況の下、クラブ事業者やDJやアーティストなどが声を上げ、濫用的取締りをやめてほしいと必死の思いで立ち上がったのが、Let’s DANCE署名運動の発端です。その後、クラブ関係者のみならず幅広い参加を得て、法改正に向けての運動を展開するに至っています。

2 そもそも、なぜダンスを規制?

風営法の立法趣旨は、善良の風俗と清浄な風俗環境の保持、少年の健全な育成とされています。
風営法は昭和23年に成立しましたが、立法の背景には、「ダンス」が売春等の性的サービスと結び付けられていたという当時の社会的背景があったと指摘されています。
風営法は、時代の変化とともに改正を繰り返し、例えばビリヤード場が風俗営業から外され、また社交ダンス教室についての規制が緩和されるなどしてきました。少年非行の増加にともない規制が強化された風営法改正の際には、国民の基本的人権を不当に侵害しないよう努め、正当に営業している者に無用の負担をかけることのないようことを確認する旨の附帯決議もなされました。

風営法は時代の変化とともに改正されるべきですが、現代において、そもそもダンスを風営法で規制することを正当化するような立法事実が存在しているのか非常に疑わしい状況です。
そもそも、「ダンス」だから善良な風俗を害するなど、風営法上の問題を引き起こすのでしょうか。
それ以外の歌う行為や単に飲酒する行為もあるのに、なぜダンスだけが規制対象となるのでしょうか。
もしダンスをさせる営業から弊害が生じたにしても、それはダンスを基準に取り締まるべきではなく、その弊害を抑止する法律によって取り締まるべきはずです。

3 ダンス規制の弊害

本年4月からダンスが中学校の必修科目となっています。しかし、ダンスを教えるダンススクールは「ダンスをさせる営業」として、法律上は風営法の規制対象となっています。ダンススクールでも中学校と同じことをやっているのに、風営法の許可を取らないと、無許可営業として刑罰を受けかねないのです。
また、ダンスを基準に取り締まろうとするからこそ、“善良な風俗を害する享楽的雰囲気を過度に醸成させるダンス”とは、何か?という、客観的基準とはなりえない議論となって、明確性の原則にも反し、濫用的取締りの温床となりかねない問題があります。
そして、先述のように、現代においてはダンスをさせることそれ自体が善良な風俗を害することに直ちにつながるようなことはないはずであるにもかかわらず規制対象とされること自体に、大きな問題があります。
これはダンスに関する営業の自由(憲法22条)に対する重大な制約であり、さらには表現の自由(憲法21条)、人格権(同13条)などへの重大な制約だと考えられます。この過度の制約によって、日本のダンスカルチャーは、本来のポテンシャルを発揮できない状況に置かれているのです。その損失は、計り知れません。

4 改正の方向性

このような問題の所在からすると、改正の方向性はダンス規制項目の撤廃であるというのが、Let’sDANCE署名推進委員会の基本的立場であり、法律家の会としてもそれを基本に検討すべきだと考えています。
もっとも、多種多様な弊害を防止する観点から、営業時間規制緩和や「ダンス」要件の明確化など、ダンス規制項目以外の部分での改正意見もあり、この点は法律家の会としても十分な議論を積み重ねていきたいと考えています。
ただ、現時点では、この運動は、単なるクラブの営業存続のためだけの運動ではなく、ダンス制約に対する運動と位置づけられています。そうだとすると、ダンス規制項目を撤廃したうえで、多種多様な弊害を防止するために風営法を大改正することも視野に入れて検討する必要があるかも知れません。
この点は、ぜひ参加いただいた方々の活発な議論を期待したいところです。

5 法律家の会としての活動

法律家の会としては、署名運動を中心とした法改正運動に対して、法律家としてのサポートを提供するというのが基本的コンセプトです。
具体的には、各地で行われている署名活動に対する支援・相談活動や勉強会でのスピーカーとしての役割などを担っていただきたいと考えています。
また、法律家の会のメンバーのなかからプロジェクトチームを結成し、改正案の方向性や考え方、具体的条項の検討など、法改正作業を担っていくことも考えています。
さらには、国会議員の先生方との勉強会や働きかけなど、具体的なロビイング活動も想定しています。

法律家の会の組織としては、設立趣意書に賛同いただく形で、賛同人となっていただき、多くの法律家に参加いただきたいと構想しています。具体的な動きなどについては、運営委員会を中心に決定し、行動していく予定です。

6 ご参加のお願い

この運動は、先述のようにクラブへの過剰な取締が発端ですが、この問題は単なるクラブへの営業権侵害という域に止まらず、ダンスカルチャーという文化・芸術そのものへの過度の制約であると考えています。
たしかに、例えば公害被害などとは異なり、文化・芸術への制約は見えにくいものがあります。しかし、これを放置しておけば、現時点での文化・芸術の発展が妨げられていくだけでなく、将来における発展の可能性を摘み取ることにもなってしまいます。だからこそ、法律家である私たちが先見をもって声を上げていく必要があるのではないでしょうか。

ぜひ、法律家の会にご参加いただき、お力を貸していただければと思います。現在は、呼びかけ人へのお声かけをさせていただいている最中ですが、本稿と設立趣意書をご覧いただいて、参加いただける方には、次の方法により参加申し込みをいただければ幸いです。

7 参加資格等について

法律家の会への参加資格は、関係する法曹に限定するとの趣旨から、弁護士と行政書士、研究者の方に限らせていただきます。ご了承をお願いします。ご入会に当たり、参加資格の有無につき、簡単な審査をさせていただきます。
また、一口1,000円より入会費を徴収させていただいております。同入会金は、今後来るべき改正運動(記者会見・議員回り等)に必要な経費として、厳正な管理体制の下ストックさせていただきます。入会金の徴収方法につきましては、参加申込みいただいた方に直接メールにてお知らせすることに致します。

8 参加方法

ご参加いただける方は、お手数ですが、『Let’sDANCE法律家の会』ホームページ内の申込みフォームにご記入のうえ送信いただくか、以下のアドレスに、「『Let’sDANCE法律家の会』設立準備会」参加希望との件名をつけていただき、①ご氏名、②所属事務所、③電話番号・ファクス番号、④メーリングリスト登録希望Emailアドレス、⑤賛同人氏名公表の可否を明記の上、メールを送っていただくようお願いします。

※参加申込Emailアドレス letsdancelawyers@gmail.com

参加申込みフォーム

9 参考

⑴ 関係URL(一部です)
Let’sDANCE署名推進委員会HP(Twitter、Facebookあり)
www.letsdance.jp
2012年6月20日DOMMUNE公式アーカイヴ「TALKINGabout風営法」(動画)
http://www.ustream.tv/recorded/23460241
2012年5月21日Taiyo33イベントアーカイヴ「風営法ってなに?」(動画)
http://taiyo33osaka.net/whatsnew/#kiji335
2012年5月30日MBSちちんぷいぷいクラブ規制特集(動画)
http://www.youtube.com/watch?v=c4h3HDqKyrU

⑵ 訴訟等
大阪の老舗クラブNOONが、本年4月4日に摘発を受け、経営者が起訴されて公判請求されており、これに対して、現在大阪を中心とする約20名の弁護団でSAVE THE NOON訴訟として手続が進行しています。

以上